第十八章 書き続ける

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第十八章 書き続ける

会社を首になり、それが病気を悪化はさせましたが、ブログを書く事へと私の運命の歯車は、その時大きく転換したのでしょう。
今にして思うと、パソコンを買い、ブログの存在を知らなければ、私はまだ何にも書けない状態が続いていたに違いないのです。

それではなぜブログでは書けたのか。
それは初めから小説を書く事を断念していたからです。
小説を書く事を断念していたからこそ、私はブログで物が書けたのです。
この小説を書く事を断念した、ということは非常に重大な意味を持ち、小説を書く事を断念したからこそ、私は書く事にある自由を手にしたのです。

それではなぜ小説を書く事を断念できたのか。
その答えは簡単です。
最早、ドストエフスキイを超える小説家は生まれない、つまり、ドストエフスキイで小説はその頂点を迎えていたことにやっと気付いたのです。
ドストエフスキイを乗り越えようとジョイス然り、プルースト然り、カフカ然り、埴谷雄高然り、武田泰淳然り、と、ドストエフスキイの壁にはドストエフスキイを超えられなかった文豪の作品か死屍累々と積み上げられており、それこそ、ど素人の私がドストエフスキイを超えるなんぞはあり得っこない事だったのに、その時初めて自覚したのでした。

私は、一週間に大学ノート二頁分の思索集としか呼べない代物を書き連ねていったのです。
ブログを書き連ね、ある程度の量になると、私のブログを読んでくれる人が百人単位で増えてきて、そこで書く事に多少の喜びを見出したのでした。

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