「文字形態」の変化(1)

約3000年前、我が国日本のかつての時代「縄文時代」。

土器に記した模様のような文字「ヲシテ(おして)」や「神代文字(かみよもじ)」。

古来中国で使われていた「甲骨文字」や「トンパ文字」など、様々な呼び名や解釈を交えながら「文字」は後世に受け継がれてきました。

こうして「漢字」は、血なまぐさい背景や数々の逸話を歴史に刻みながらも、そこから派生し、少しづつ形を変えて、より親しみやすく読みやすく進化してきたのです。

そしておよそ、1000年前ごろには、私たちが生きる「現代」にほとんど近い形で確立し、今も脈々と息づいています。

現段階で最も古い「絵文字」としては、シュメール人が使い始めた「楔形文字」が広く知られています。

シュメール人は当時、道具を使って粘土板に「絵文字」を刻む方法で、文字の保存を行っていました。

筆記の道具として用いられていたのは、草の茎や木の枝を尖らせたものだったようです。

いずれも「象形文字」に似た意味合いを持ち「絵文字」のような解釈もされていました。

文字の「なりたち」は、日本も世界も同じような道を辿り、現代に根付くものなのかもしれません。

「文字形態」の変化(2)

古代から現代へ。
長い月日を経て「文字」の形態は少しずつ変化を遂げてきました。

それは、現代に至るまで、使い勝手が良いように、時代、時代に合わせた「在りかた」や求められる「用途」に応じて「文字」が辿ってきた結果と言えるのではないでしょうか。

例えば、ワープロからタブレット、そしてパソコンの普及と、日々進化し、新しい機器が生み出される現代。

今の時代は、パソコンは持っていることが前提、むしろパソコンを持っていないと仕事に支障が出る、という人も多いでしょう。

今までは当たり前だった、紙にインクを移し「文字」を連ねる《手書き》から、キレイに読みやすく、整った字体を打ち出してくれる《キーボード》が、主な業務を代行してくれます。

ペンを握りながら、「あの漢字って、どう書くんだっけ・・・?」と唸りながら、頭を悩ませることもありません。

細かい手間や作業を大幅に軽減することで、時間的なロスも随分と軽量化されました。

「文字」を連ねる方法自体を簡略化することで、大幅な時間の短縮が可能になり、文を綴ることが格段に容易になったのです。

そして、性能の良い機器のデジタル化が進み「文字」を書くことが、それほど難しくはなくなったことで、私たちは「漢字」を頭で覚える必要がほとんどなくなったのです。

あの「読めるけど書けない・・・」という、もどかしさ。
イライラしますよね。

やたらと字数が多く難しい「漢字」は、パソコンに任せてしまえばいいのです!

パソコンなら、キー1つで簡単に、液晶画面に《候補》を挙げてくれます。
あとは、その中から適切な「漢字」を選択し、《決定》するだけ。
なんと素晴らしい機能でしょう(笑)

「文字形態」の変化(3)

パソコンが普及し、無理に「漢字」を頭に叩き込まなくてもよくなったとはいえ、コンピューターにも欠点はあります。

キーボード入力される「漢字」は一部が簡略化され、古い「漢字」や独特な読みをする「漢字」においては《変換》することさえ困難です。

それ以前に、もともとの「漢字」を知っていなければ、せっかくパソコンが挙げてくれた《候補》も選べないということになります(汗)

やはり、もとになる基本の部分は、自分の頭に叩き込むしかなさそうです・・・。

そんなわけで、どうせ覚えるなら「漢字」も楽しく学べたらいいですよね?

ここでは、そんな「漢字」の不思議さや面白さ、隠された真実や残酷さなどを「白川文字学」から読み解き、個人的な解釈を加えながら、伝えていきたいと思います。

普段、何気なく使う「漢字」を体系的に学ぶことで、文字の示す「型」を知れます。

それをもとに、1つの「偏(へん)」や「旁(つくり)」が何を示そうとしているのかが想像できるのです。

もちろん、これから私が伝える逸話やエピソードには諸説あり、それを取り巻く人の見解や解釈も様々です。
見方も伝え方も、それぞれ違うでしょう。

ここで紹介する逸話だけを鵜呑みにするのではなく、たくさんの知識をもって、自分なりに吟味してほしいと思います。

どうぞ、みなさん。紙とペンを持ってください。
そして実際に、自分の手で「漢字」を書いてみてください。

新たな「漢字」の魅力を知ることが出来るでしょう!

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