生きたまま焼かれる罪人「赤」

『赤』:あか(セキ)

「赤面」「赤い血」「赤っ恥」など《衝撃的な出来事や感情》を掻き立てる印象が強い「赤」という漢字。

「血液」を連想させる独特な色味から、潜在的に生き物の感情を揺さぶり、人の目を引きつけます。
「危険回避」または「注意喚起」の色にも利用されています。

また「赤」は血の色でもあり、「火」の色でもあります。

今から約1万5千年ほど前、フランスの西南部「ラスコー洞窟」の壁画には、牛や馬などの家畜、心臓などの身体の中心部には「赤色」が塗られ「生命そのもの」、「生きる上で命に直結するほど大切なもの」は、《濃い赤色》で描かれています。

私たちが暮らす現代でも、目立たせたいものや強調したい部分には、日常的に「赤色」が使われることが多いですよね。

実はこの「赤」という漢字は、無意識に人の神経をざわつかせるイメージ通り、血なまぐさい背景が元になってできた漢字なのです。

当時の処刑法として「火あぶりの刑」というものがあります。

この「火あぶりの刑」とは、罪人の両手を縛り、木や柱など、高い所にぶら下げます。
そうしてぶら下げた人の下、両脇から勢いよく火を焚くのです。

火で炙り続けられた人の肌は真っ赤にただれ、膨れ上がった火傷の傷は破裂し、血が噴き出します。

高いところから滴り落ちる血と、下から勢いよく燃え上がる火をかたどったものが、この漢字「赤」です。

「赤」の下につく点は、血が滴る様子を模擬したものなのです!

なんとも凄惨な光景だったことでしょう・・・。

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