髪を下ろした巫女(巫子)の姿(1)

『而』:ひげ(ジ)

巫女(巫子)に関連する漢字として、まずは基本の字を見てみましょう。

この字を使う漢字に「需」:もとめる(ジュ)や「濡」:うるおう(ジュ)などがあります。

この「而」は、通常は髪を上に結い上げるものですが、巫女(巫子)は髪を上に結い上げず、普段から髪を下ろしたままの姿で過ごしたことからきている漢字です。

髪を下ろした人を正面から見た姿、巫子が肩の辺りで髪をバッサリと切り揃えている姿を象形したものです。

当時、巫女(巫子)は「亀卜(きぼく)」の儀式で神に「祈り」を捧げる際、手足の爪を切り、髪を肩の辺りで切りそろえ、水で身を清めてから「神の声」を聞くことに努めました。

神は穢れのない巫女(巫子)の「祈り」の声を聞き、それを受けて「神託」を授けるとされていたためです。

巫女(巫子)の出番はあらゆるところでありましたが、特に自然災害や危機的状況に陥ったとき、民衆は巫女(巫子)の能力を頼り、その神秘のチカラに驚愕し、有難がりました。

また、巫女(巫子)は、雨が降らず日照りが続く干ばつの日などは、1日中、ときには数日間にもわたり、雨を降らせるため、神に「祈り」を捧げました。

その間は飲まず食わず、眠ることもせずに儀式を執り行ったそうです。

巫女(巫子)にとって、神に祈りが通じなければ命にも関わる重大責任を問われることになります。
それは必死に「祈り」を奉げたことでしょう(苦笑)

「需」=髪を下ろした巫女(巫子)が神に「祈り」を奉げ、雨が降るのを待つ姿。
「濡」=巫女(巫子)が奉げた「祈り」によって、雨が降りはじめたことを指す漢字。

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