盲目の人「民」
『民』:たみ(ミン)
「人民」「民衆」という使い方をする、この「漢字」ですが、意味としては「おさめられる人」「権力を持たない人」という言葉で紹介されています。
この「漢字」の形をよく見てみてください。
「民」の漢字の上の方が白く抜けているようになっていますよね?
これは「人の目」の部分を意味します。
当時は多くの国が権力争いに明け暮れ、他国に攻め入り、歴代の皇帝、または王などの最高権力者は、多くの奴隷を所有していました。
これら最高権力者たちは、奴隷を貴重な《労働力》として捉え、なんとか逃げられないように策を講じていました。
しかし、奴隷の逃亡対策のために、手かせをすれば仕事が出来ない、重い鎖や足かせをすれば労働力が落ちる。
仕事の効率を下げず、なおかつ奴隷が逃げないようにするにはどうすればいいかと、頭を悩ませていました。
そんなとき、臣下の1人が「奴隷の目を片方、潰してはどうか」と進言します。
片目が不自由になれば上手く走ることも出来ず、逃げる気力も失うだろうと・・・。
皇帝は大きく頷きます。
それなら手かせも足かせも要りません。
余計な拘束具がない分、仕事の効率も上がるはず。
しかも奴隷が、逃げる心配もないのです。
皇帝は早速、奴隷の片目を針で突いて潰すように、臣下に申し付けます。
この「民」という漢字は、奴隷の片目が潰され《白くなってしまった目》を表しているのです。