腕のない子供(1)
『了』:おわる(リョウ)
「了承」、「了する」などと使われる漢字です。
意味としては「終わる」、「理解する」「悟る」という意味合いで使われます。
日常的によく目にする漢字だと思いますが、実はこの漢字にも、子供に関連する衝撃的なエピソード隠されています。
まずこの「了」とい形を見てください。
何か見覚えのある形だと思いませんか?
・・・そうです。
これは「子」という漢字からできています。
「子」の横棒を取ったもの。
つまり、横に広げた「手」がない状態・・・。
お分かりでしょうか?
これは「腕を切り落とされた子供の形」です。
その昔、中国のある村では、村に住む人間以外の外部者は、悪い病気や災いを運ぶとして忌み嫌われ、敵視されていました。
ある日、旅の途中の若者が目的地へと向かう経路として村を通ろうとしたとき、1人の幼い子供と出会います。
あまりの可愛らしさに若者は、持っていたお菓子を子供に差し出しました。
子供は若者に差し出されたお菓子を戸惑うこともなく受け取り、お礼のつもりか「ニコッ」と笑います。
腕のない子供(2)
若者も釣られて笑いかけた途端、どこからともなく大勢の村人たちが突如現れ、若者を取り押さえます!
「おまえは誰だ?!どこから来た?」
「ここへ何しにきた?!」
口々に叫びながら若者を抑え込み、お菓子を受け取った子供もどこかへ連れていかれます。
「私は旅の途中で、この村へはたまたま・・・」
最後まで話す間もなく若者は、あっという間に木の杭に縛りつけられ、地面から高い場所まで掲げられてしまいました。
「ちょっと待ってください!さっきの子供に聞いてもらえれば分かります。私は、ただお菓子を・・・あっ!」
ふと目の端をみると、さっきの子供が、肩から腕を切り落とされた状態で立たされていました。
「なぜ、こんなことを・・・」
「全てはあなたが悪いのだ。あの子供の手は、あなたによって汚されてしまった!」
それっきり、若者の意識はなくなってしまったということです・・・。
「了」とは、外部との接触を極端に嫌う村人たちの固定観念が生み出した悲劇の漢字なのです。