恭しくひざまずく様子「女」
「女性」を表現するのにふさわしい漢字の1つ目として、この漢字から紹介しましょう。
『女』:おんな(ジョ)
まずこの「女」という漢字。
原形となる文字の形は、女性がたおやかに、ひざまずいている形です。
男性の地位が絶対的に確立されている国では、女性は男性にかしづき、何をおいても男性優先、女性は1歩下がるのが常、という考え方が強いようですが、当時の中国では少々違うようです。
女性が深くひれ伏すのは、男性の前ではなく、偉大なる神の前です。
「祝詞(のりと)」を挙げる「巫女」に女性が多いのは、母のように大きな母性と、しなやかな強さ、女性ならではの神秘的な感受性が、神により近づけるという見解からです。
現に古来中国の女性の地位は、男性をはるかに凌ぐほど高いことも稀ではありませんでした。
女性が天下統一を目指すために、なんの縛りもない「実力主義」の時代でもあったようです。
ちなみに、この漢字も「巫女」から派生したものです。
『如』:ごとし(ジョ)
女性が神の前でひざまずき、手に「サイ」を持って「祝詞(のりと)」を唱える姿です。
このとき伝えられた「お告げ」を神の神意に沿うよう、民衆に伝えるため、同じくする、同じようにする、という意味を持つ単語「如=ごとし」が生まれたのです。