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第二章 徹底的に悩み通す 一
洋の東西を問わずに名作と呼ばれる作品を片っ端から読んでいるうちに、「自分はこの系統の作品が好きだ」と、自分が好きな作家が見つかる筈です。
また、そうならなければ、小説など書ける筈はありません。
私の場合は、それは、外国の作家で言うとドストエフスキイや詩人のブレイクやイェイツ、ポー、そしてボードレールやランボーなどで、日本の作家だと、夏目漱石、梶井基次郎、芥川龍之介、埴谷雄高、そして武田泰淳など、その他大勢です。
私が最初に夢中になって読み耽ったのは、中学一年生の時の学校の夏休みの宿題で、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』が課題になった時のヘッセとの出会いが、私を文学に夢中にさせるきっかけになりました。
当然、『車輪の下』だけでは物足りず、ヘッセの文庫本に翻訳されているものは全て買って全て読みましたが、中でも『ガラス玉演戯』が分厚いものですが、大変気に入り、何度も何度も読んでは、思索に耽ることが多くなりました。
それ以来、私の趣味は思索する事、つまり、人によれば「無為に時間を過ごす事」になってしまいました。
因みに私は現在、四十半ばの中年ですが、ヘルマン・ヘッセはまだ好きなままです。
そして、私はヘッセを読んでいるうちに、ヘッセの解説で知ったのか、ニーチェを知るところとなり、いくら読んでも解からずとも、その文書から湧き出る思索に魅了されることになったのでした。
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