第十七章 就職

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第十七章 就職

私は約三か月間の研修期間を終えてそのソフト会社にプログラマとして就職することになりました。
病状はある程度薬でカヴァー出来はしましたが、それには限界があり、毎日、決まった時間に会社に行くことが、私には重労働でした。
それでも、何とか仕事は続けられて、仕事の質も高度なものになっていったある日、私はあるミスをしてしまったのです。
それは初歩的なミスで、私一人だけのミスではなかったのですが、私だけ、その日に首になりました。

それ以前に、多分、私は限界を超えていたのだと思います。
薬を服用していたとはいえ、完全に病気が根治したわけではなかったので、日に日に私の病状は再び悪化していったのです。
そこでのミスでした。
たぶん、労働基本法ではその会社が私にしたことは法令違反に違いなかったのですが、私は何の文句も言わずに会社を辞めさせられ、再び病気療養の日々に突入してしまいました。

そんなある日、ブログというものが隆盛を極めているのを知ったのでした。
私は、相変わらず小説は書けませんでしたが、その日に浮かんだ短い文章をブログに書くことを自然と始めていたのです。

最初は本当に短い文であったブログが、書き始めてみると次第に長い文章になってゆくのを「もしや、これは」と私の内部で眠っていた物書きへの憧れが次第に膨らんでゆくのでした。

しかし、私の病状は今現在に至っても、その時以上には回復しませんでしたので、ブログを書くのに無理は禁物と、一週間に一度ブログを更新することに決めたのでした。

私のブログは、最初は読者の事など全く考えずに、その通りに殆ど見る人がいない状態が続いていました。

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