第三十章 二作目の出版

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第三十章 二作目の出版

日本文学館からの電話は「私の原稿が審査をパスしたので出版したい」とのことでした。
費用は文芸社から出版した『夢幻空花なる思索の螺旋階段』の四分の一ほどでの出版でした。

次作は小説を断念したものが書く小説みたいな奇妙な内容の本となって世に出ています。
タイトルは『審問官 第一章「喫茶店迄」』です。

この『審問官 第一章「喫茶店迄」』の審問官はドストエフスキイの『カラマーゾフの兄弟』の中でイワンが物語る大審問官と始終無言のキリストとの劇からとっています。
つまり、『審問官 第一章「喫茶店迄」』は小説を断念したことで初めて生まれた小説のようでいて小説でない作品です。

この『審問官 第一章「喫茶店迄」』もまた、本の制作中、原稿の直しは殆どなく何の滞りもなく三か月ほどで出来上がり出版することが出来ました。
この作品は第一章ということから解かる通りまだ、本筋の承前の承前でしかありません。
一応、十二章の長編を考えていますが、どうなるのか分らず、また、第二章が出版できるかも解かりません。
しかしながら、私の中ではすでに覚悟が決まっていて、必ず十二章まで出版する意気込みでいますが、これは一生かけて書くつもりですので、埴谷雄高の『死霊』のように未完で終わるかもしれません。

また、『審問官』シリーズとは別の作品の出版も現在進行形で進んでいます。
この作品もまた既に小説でない小説という何とも奇妙奇天烈な作品です。
こちらはネットでも公開しています、『幽閉、若しくは彷徨』の第一部です。
この作品も何部まで続くかわかりませんが、一生かけて書くべき作品だと考えています。

以上で終わりますが、小説家として存分に活躍したければ、大手出版社の新人賞に応募するのが一番です。
しかし、私は、新人賞も関係ないところで物書きとしてやっていきたいので、これまで語ってきたような道筋で一応物書きになりました。

最後に言っておきますが、「」を出版したければ誰でもお金さえあれば出版は出来ますが、その後が続くかどうかは運もなければ小説家、否、物書きにはなれません。
以上です。

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